その時はそう思ってたんです。「あ、ここか。仁徳天皇さんのおはしたところは」私もその時はまだ、大鷦鷯天皇が仁徳と思ってたんですよ。だから、3年税を取らなかった天皇さんが大鷦鷯さんだと思ってたんです。その大鷦鷯さんの難波高津宮、「は、ここかいな」と。「やったぁ!」と。「また一つ都を見つけたぞ!」と。「宮殿見つけたぞ!」と。その時はそれで喜んでた。ね?
問題はこの宮の向かい側が実際「高山」なんでしょ?だから、あの『万葉集』の歌は本当は「たかやま」で良かった。「かぐやま」じゃなかったんです。だから、これは大鷦鷯の天皇が居しました宮なんです。その向かいに「高山」があるんです。その「高山」が「畝火山」を愛しいと思って「耳梨」と争ったっち言うんです。どっちが勝ったのか?
この替え歌と思われる方の歌では「耳梨」が勝ったことになりますね。何せ「耳梨」と「畝火」並んでるんです。もう、三山の一角に。ところが、「高山」はこれ、峠を越えた先です。先です。だから、この時だから、実は仁徳、偽者だったんですが、大鷦鷯は一体、誰の妻を争ったんだっていうことになってきたんです。だから、「倭三山の歌」おかしいぞと。これ「香山」じゃないぞと。
だって「香山」は、さっきの三山の写真で見る限り、綺麗に並んでるわけでしょ?並んでるわけでしょ?それであの「三山伝説」というのは、これはですね、恋に成就した山は2つ並ぶんですよね?並ぶんですよね?失恋した方の山は、ちょっと離れた所にあるっつうんです。そうするとこれ、他の三山伝説と一緒になるわけですよ。「高山」だけは、「倭三山」から離れてるわけです、実は。
これもやっと私がこの国で初めて、ここ、あちこちあちこち巡ってる内に気付いたんです。「ああ、じゃあこれは元々替え歌で、『高山』、だから、最初の文句は『大鷦鷯』を象徴するんだ」と。じゃあ、その争った妻は誰かいなと。もうこれはすぐわかってきますね。「髪長媛」です。「髪長媛」です。その髪長媛を争ったというのが、仁徳紀にはちゃんと書いてあるんですよね。
さぁ、そこで今度は「金野の宇治宮」を飛ばしましてですね、それでまず先に「菟道宮」をちょっと確認しておきましょう。(*省略)じゃあ、それでもう片方の「難波高津宮」の大鷦鷯はわかりました。大鷦鷯の宮。じゃあ、そこから海人が往復すると魚が腐ってしまう距離の「菟道宮」はどこにあるのかと。それで、行橋の方から一つ峠を越えて香春の町に戻ってきます。
香春の中でその「菟道宮」に該当する場所はあるのかなということで、もう一回『万葉集』の7番、先程言いましたが、あの「金野」という字をもう一回見たわけです。とうとう見つけました。そこの8ページのこの地図ですね。そこにちゃんと抜いてありますが、「宮原金山遺跡」というのがある。ここに「金山」があるんであれば、ここですね、「金山遺跡」。
じゃあ、この下の方の野原の所が「金野」じゃないかと、こう思ったわけです。この程度の簡単なお粗末な頭なんです。でもしかし、この簡単な頭が考えつくんだから、それは限りなく真実に近いだろうって思ってるんですけどね、勝手にね。さぁ、そこで今度は下の8ページの地図ですね。
これは地元の学芸員さん、野村さん(*修正済)、今度あの「採銅所」の出身のお嫁さん貰ったということで、とうとう他所から入ってきたこの野村学芸員さん、とうとう香春の人になりました。これから先、私の手下とまではいきませんが、同盟者となって、香春のこと色々調べてくれると思います。その人はですね、これは丁寧なことに香春の原図の中にですね、字名を全部手書きでこうやって書き込んでいってくれた。